「大いに論争を――論争のページ」に新しく「07年新たな論争を」の枠を作りました。田中さんの投稿があってそれをここに収めています。これをきっかけに投稿が増えるとうれしいです。なおリードに書いたものが読みにくいので以下に再録しておきます。

07年になっていろいろ動きが出てきています。論争のページも引き続きの論争がしばらく途絶えていますが、一つ投稿がありましたのでこれをきっかけに、皆さんからの投稿を期待しています。投稿はワードの添付ファイルで、次のメールアドレスまで送ってください。
sakateke2000@yahoo.co.jp 境　毅宛

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2007/06/30

雨宮処凛in大阪

Author: ebara (6:06 pm)

ブログに雨宮さんの『生きさせろ！』の紹介をしましたが、彼女が大阪で講演する企画がありますので紹介しておきます。

大阪市立大学創造都市研究科連続シンポジウム
生きさせろ！　～プレカリアートの新たな運動は可能か？～
日時 2007年７月12日（木）午後６時３０分～９時３０分
内容大阪市立大学創造都市研究科　

都市共生社会研究分野は、2007年７月12日（木）に以下の要領で、シンポジウムを開催いたします。奮ってご参加ください。

今回のシンポジウムでは、『生きさせろ！』（太田出版・2007年3月）の著者である雨宮処凛さんをゲストスピーカーに招いて、ネオリベ社会の中で「難民化」する若者たちの現状を探り、より一層拡大・深化しつつある「格差」社会の現状について議論します。さらにはそうした状況への反撃の闘いの可能性についても議論できたらと考えています。厳しい「現場」で日々苦闘し、現状突破の方向性を模索されている、多くの市民や労働者の皆さんの、そしてこの現実についてもっと知りたい、学びたいと考えておられる人々のご参加を希望・期待しています。

ゲストスピーカー雨宮　処凛さん（作家）
コメンテーター佐野　章二さん（ビッグイシュー・ジャパン）
櫻田　和也さん（創造都市研究科博士課程）
司会島　和博（創造都市研究科）
開催場所大阪駅前第２ビル６階　大阪市立大学文化交流センター大ホール
http://www.ado.osaka-cu.ac.jp/BUNKO/
参加無料（会場120名定員）
予約不要
お問合せ大阪市立大学創造都市研究科　都市共生社会研究分野教員　島　和博
E-mail: info@co-existing.com

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2007/06/29

雨宮処凛『生きさせろ！』（大田出版）

Author: ebara (8:45 pm)

先日成島忠夫が高槻に来たときに、別の勉強会をやっていた旧ブントの活動家たちも来ていたのですが、彼らのアジテーションの素材はなんと雨宮処凛でした。彼女が今年3月に『生きさせろ！』（大田出版）という本を出し、朝日新聞で取り上げられていたりで、読んでみましたが、これは非常に優れた本でした。若者の現状が労働環境を中心に分析されていて、私が言わなければと考えていたことの殆どが書かれています。
この2年間くらい若者の現状を打破する試みがどのように始まるか、また始めなければならないということで、いろいろ試行してきましたが、若者たちはアイドルを創るという形で、問題提起したのですね。
フリーターの労働組合もあるし、プレカリアートの独自メーデーも始まったし、生活保護の世話をする団体も出来たりで、若者に対するセーフティネットが姿を現わしはじめています。これをどう使いこなすか、ということが当面の課題ですが、私としてはその先について考え実行して行きたいと思っています。

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2007/06/25

成島忠夫参院選に立候補

Author: ebara (10:49 pm)

昨日元全学連副委員長を努めた成島忠夫が、「９条ネット」で参院選に立候補するということで、高槻に現われました。60年安保世代の呼びかけで、改憲反対の国会デモが昨年6月15日に150名の規模でもたれましたが、今年は1000名に膨れ上がり、その帰結として、改憲反対の候補者を自分たちで立てようという話になったようです。私はこの運動には関わっていないので、伝聞で間違っているかもしれませんが、成島忠夫が立候補するというのは事実のようです。次のHPに訪問してみてください。
http://www.naruchu.org/

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2007/06/12

第五回文化知講座の報告

Author: ebara (8:32 pm)

6月10日に行われた第五回文化知講座の報告です。
この日はデリダの「幾何学の起源序文」と「グラマトロジ―について」の抜粋を検討しました。フッサールの幾何学の起源の抜粋から読み始めましたが、不思議なのはデリダがなぜフッサールの論理学研究を始めとする現象学に影響を受けたのかということです。また、幾何学の起源序文ではフッサールの見解を深めようという姿勢ですが、「声と現象」では一転して批判へと転じます。それがどうもソシュールの言語学を研究したことが原因のように思われます。
ところで「グラマトロジ―について」のソシュール批判は、ソシュールがエクリチュールをパロールの代理としている点について問題にしていることに尽きるのですが、これは「声と現象」でロゴス中心主義＝音声中心主義と規定してこれを批判したことへの異論となるわけで、それでかなり神経質になっているように思われます。
ところが個人の意識から出発して世界を語るというフッサールの方法は継承しているので、言語についても個からの発想になっていて、ソシュールの、言語を社会的なものとして捉える視点が理解されてはいないようです。次回はデリダがソシュールについて言及している部分に関してソシュールの原資料にあたって、是非を検討します。また「哲学の余白」についての検討も行います。デリダのソシュール解釈の問題点については、何とか文章化してみます。

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2007/05/29

第15回公開講座の報告

Author: ebara (9:11 pm)

5月27日に行われた公開講座「若者よ議員になろう」の報告です。
関東では生活クラブの代理人が活躍しています。しかし関西ではその動きはなく、かろうじて、「無所属市民派」の女性議員が目立っています。今回講師にお迎えした野々上議員はその一人でした。高槻市議会議員として、独身女性としては結構な歳費を貰っていますが、でも議員は完全な個人時業主で、事務所を構え、ひとり秘書を雇うといったことを考えると、予算がなく、それ自体実現できません。結局政党や宗教団体をバックにしたり、事業家と兼業している人たちに都合のよいシステムで、全くの個人でやっていくには、当人のキャラに頼っていくしかないようです。選挙を手伝ったメンバーからすれば結構不安定な職業に見えたとのことでした。
「若者よ議員になろう」という考えからすれば、議員養成塾に入って個人的に議員になるというコースは余りお勧めではないようです。若者の代弁を出来るようなネットワーク作りから始めたほうがいいのかもしれません。こんな感想を持ちました。

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2007/05/14

第四回文化知講座の報告

Author: ebara (9:06 pm)

5月13日の文化知講座は、デリダのレヴィナス批判を取り上げました。それは全くのデカルト的自我論の擁護で、レヴィナスの絶対的他者論に対して、他者も自我であるということの確認抜きには他者への顧慮はないという反論でした。つまり自己の自我と同じ形の自我を他者にも認めるということなのですね。これはつまりそれを起点に世界を開く自我と同じものを他者に想定するというもので、まさしくレヴィナスが批判している全体性そのものです。どうやらデリダには社会というものが掴めておらず、人と人とが社会をつくるということの意味が理解の彼方にあるようで、社会関係を意識による世界の把持でこと足れりとしているようです。
次回からはソシュール研究ということにしていましたが、9月の座談会でデリダを取り上げることにしましたので、しばらくデリダの研究にします。6月は『グラマトロジーについて』（現代思潮新社）のソシュール批判のところを取り上げます。また『幾何学の起源』（青土社）の序文や『声と現象』（理想社）で展開されているフッサール批判も取り上げる予定です。

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2007/05/03

プレカリアート

Author: ebara (11:01 pm)

日本でもやっとプレカリアートのメーデーが4月30日に東京と大阪でもたれたという報道が朝日新聞5月1日朝刊でありました。東京で400人大阪で100人という規模のようです。これについてはネットワーク情況の第13回公開講座でヨーロッパでは今では万単位の独自メーデーが催されているということが報告されました。公開講座についてはスローワーク協会の会報『スローワーク』に報告が掲載されています。
ということで「お知らせ」のところにバックナンバーのセット販売の広告をしておきます。この機会にぜひお買い求めください。

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2007/05/02

レヴィナス座談会の報告

Author: ebara (9:31 pm)

4月29日の第14回公開講座はレヴィナス座談会でした。新入生が沢山来てくれて、それに配慮しながらの座談会になりました。
最初にレヴィナスの周辺ということで仲正さんから、レヴィナスの本の翻訳の歴史を踏まえて、日本でのレヴィナス受容の経過について報告がありました。ついで私の方からレヴィナスとマルクスは背中合わせの関係だという話しをしました。文化知講座で話した内容を伝えたのです。そのあとなかなか面白い議論になりました。中身はいずれ『情況』に発表されます。
引き続き座談会をということで次はデリダを取り上げることになりました。取っ掛かりはデリダのレヴィナス批判からということになります。（文献は『エクリチュールと差異』法大出版局、所収「暴力と形而上学」）9月23日を予定しています。

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2007/04/09

第三回文化知講座の報告

Author: ebara (8:56 pm)

4月8日の文化知講座の報告です。
この日は『存在の彼方へ』第六章、と『外の主体』および『貨幣の哲学』について書いたものを読み合わせました。
社会的なものは、心性に対する感受性によって感知されるのですが、それが意識に上ると単なる痕跡となってしまうということが面白かったです。この説に従えば、社会を理性的に設計するということ自体が背理であることが分かります。社会の設計は絶えず修正されていくべきものとして、その修正のメカニズムを意識しておくことが大切なのでしょう。従来は労働運動と左翼政党がそのメカニズムの役割を果たしたのですが、それがその役割を担えなくなった日本ではどうするのか、社会生成学会はひょっとしてその役割を意識することで生まれるのかもしれません。
第二回の報告は、まもなく発刊する『ASSB』15－1号に掲載します。第三回の報告は、2ヵ月後の15－2号になります。
第四回目の講座は、レヴィナスとデリダというテーマで、デリダのレヴィナス批判を取りあげます。
その次にはソシュールの言語論です。

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