信用論よもやま話　第2話　信用と信頼

2001.10.3

1）言葉の定義

　信用＝credit

　信頼＝reliance

2）creditとは

　信用取引のことで、貸借関係が生じ、債権者と債務者とが発生する。

　relianceはこのような関係を前提にしてはいない。

3）加藤の「信用貨幣から信頼貨幣へ」説（『エコノミーの新世紀』）

■信用貨幣は情報の固まりか。

　信用貨幣は信用制度があってはじめて機能する。情報は信用取引をしている個人や法人の口座を管理し　ている金融機関にある。信用貨幣の主流は、預金通貨で、これは取引を口座振替で決済するときに出動する。一般流通でモノやサービスの売買に使われる銀行券も信用貨幣ではあるが、しかし、これは流通手段としての貨幣の機能を代行しているもので、この取引関係には信用は出現していない。

　加藤は、一般流通に出てきている銀行券のみを信用貨幣と見ており、しかも流通手段としての機能を果しているもの（非信用関係）のうちに信用関係を見ようとしている。

■エコマネーは信頼貨幣か。

　地域通貨、とりわけLETSは、会員が取引することによってはじめて機能する。この取引が信用関係でもなし、また単なる商品交換でもないので、多くの人は互酬とのアナロジーで信頼関係であると説明している。

　でも、マネー自体に信頼関係があるわけではない。あるいは、エコマネーを創造すれば信頼関係が生まれるわけでもない。全員が地域通貨での取引を続けることで、はじめて信頼は生み出される。

　従って、いま必要なことは、地域通貨での取引をふやしていくことだ。

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Author: admin Published: 2006/11/27 Read 2109 times