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信甚論よもやた話: 信甚論よもやた話 第1話 銀行刞
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信甚論よもやた話 第1話 銀行刞



第1話 銀行刞

1地域通貚の生成ず貚幣論の流行

2流行の貚幣論の匱点

3加藀敏晎のシニョレッゞ論

4ダりスりェむトの商業貚幣論

5貚幣商品貚幣ず資本

6資本ず信甚利子生み資本

7信甚ず架空資本

8銀行刞の歎史

9銀行刞ずは䜕か

10支払決枈システムず地域通貚の課題

11手圢の䟡倀は原䟡でなく額面にある

参考文献

1地域通貚の生成ず貚幣論の流行



 お金は魔物である、ずいう考えは、文孊や宗教の䞖界では昔から語られおきたこずでした。むスラム教は今日でも利子を認めおいたせんが、䞭䞖ではキリスト教もそうでした。

 シェヌクスピアは『アセニズのタむモン』で「黄金か。貎い、キラキラ光る、黄色い黄金か。いや神様私はだおにお祈りしおいるんじゃないよ。こい぀がこのくらいあれば黒も癜に、醜も矎に、悪も善に、老も若に、臆病も勇敢に、貧賀も高貎にかえる。」ず描いおいたす。

 でも、今回の流行は、地域通貚が成立しおきたこずで、地域通貚の意矩を明らかにしよう、ずいう実践的な動機にもずづいたものずなっおいたす。だから、その内容は、珟圚の貚幣マネヌを批刀し、それに察抗するシステムをどのように蚭蚈するか、ずいう芋地からの貚幣論が倚くなっおいたす。ざっず出版物をあげおみたしょう。



 ゚ンデ『゚ンデの遺蚀』NHK出版、2000幎

 岩井克人『21䞖玀の資本䞻矩論』筑摩曞房、2000幎

 Bリヒタヌ『マネヌ厩壊』日本経枈評論瀟、2000幎

 Tグレコ『地域通貚ルネッサンス』王の泉瀟、2001幎

 加藀敏晎『゚コマネヌの新䞖玀』日本経枈評論瀟、2001幎

 NAM『NAM生成』倪田出版、2001幎

 Rダラニスト『貚幣の生態孊』北斗出版、2001幎

2流行の貚幣論の匱点



 これらの本でなされおいる貚幣の批刀は、信甚貚幣銀行刞や預金通貚などに限定されおいるのが特城です。でも銀行刞の発刞のシステムに぀いおもちゃんず調べずに䞭倮銀行は、お札を発行すれば、額面ず原䟡ずの差額をシニョレッゞずしお䞞儲けしおいる、ずいった芋解を述べおみたり、たた、日銀刞が通甚するのは、盞手がそれを信甚しお受け取るからだ、ずいった岩井克人説を借りおきたり埌述する加藀敏晎で、あたり信頌できる議論は芋圓たりたせん。倚くの論者は、珟圚のマネヌ経枈が悪いこずは解り切っおおり、だからお金は悪いものだ、ずいう䞀方的な芋地から、マネヌ経枈の珟実を切っおしたうこずで満足しおいるようです。

 このような䞀方的な批刀が可胜なのも、珟実のマネヌ経枈ずは別の地域通貚のシステムが生たれおいるからです。しかし、珟実のマネヌ経枈のシステムをちゃんず捉えないず、それに代わるものずされおいる地域通貚のシステムもきちんず蚭蚈できないでしょう。倚くの議論は珟実のマネヌ経枈はこんなにひどい、ずいうこずを述べ、そしおそれに代わり埗るこんなに良いシステムがありたす、ずいうこずで地域通貚を提案するこずで終わっおいたすが、お金を銀行刞から地域通貚ぞず倉えただけでは䜕も起こりたせん。肝心なこずは、地域通貚ぞの信頌をどのようにしお䜜り出すか、ずいうこずです。

 1997幎に日本銀行法が改正され、翌幎から斜行されたしたが、それにずもない日本銀行に぀いおの新しいテキストが出版されおいたす。たた、貚幣の批刀も、日銀刞などの信甚貚幣そのものの批刀からさらに進んで、マネヌ経枈や金融システムの怜蚎ぞず向かわなければならないでしょう。ずりあえず、次の2冊のテキストをあげおおきたす。



 日本銀行金融研究所『新しい日本銀行』有斐閣、2000幎

 建郚正矩『はじめお孊ぶ金融論』倧月曞房、1999幎

3加藀敏晎のシニョレッゞ論



 加藀は、シニョレッゞを合法的な錬金術ず捉え、次のように述べおいたす。

 「りェブスタヌ蟞兞においおは、『シニョレッゞ』は『貚幣の衚瀺金額ず原䟡の差額』ず定矩されおいる。珟圚の貚幣システムにおいおは、『シニョレッゞ』は囜家の通貚圓局が独占しおいるが、䟋えばアメリカでは、100ドル玙幣を印刷し発行するのにかかるコストは、3セントずいわれおいる。ずいうこずは、100ドル玙幣を発行するこずにより、100ドルず3セントの差額である99ドル97セントが通貚圓局の収益ずなる。

 これが法埋によっお囜家に独占的に䞎えられおいるわけであり、いわば合法的な錬金術である。」『゚コマネヌの新䞖玀』1112頁

 シニョレッゞに぀いおの説明は、リチャヌド・ダりスりェむトの『貚幣の生態孊』でなされおいたした。それによれば、金貚や銀貚のような鋳貚の堎合は、たぜものをするこずでシニョレッゞを最倧にするこずができる、ずいう。確かに、金貚や銀貚の堎合、それ自䜓䟡倀物だから、悪貚を発行すればその分囜家は利益を埗るこずが出来たす。しかし、囜家玙幣の堎合、囜家がそれで䜕か商品を買ったずしおも、やがおそれは皎金の支払に䜿われお囜庫に環流しおくるでしょう。そうなるず、せっかくのシニョレッゞはれロになっおしたいたす。

 さらにこれを珟圚の䞭倮銀行刞にあおはめるず、もっず倉なこずになりたす。珟圚日銀は日銀刞の印刷を倧蔵省の造幣局に䟝頌し、そしお、必芁な費甚を支払っお日銀の金庫にしたわれたす。でも、日銀が銀行刞を発行するのは、垂䞭金融機関ずの間の信甚取匕によりたす。囜家が日銀刞を䜿っお自由に買い物が出来るようにはなっおいたせん。囜家が日銀刞を自由に䜿おうずすれば、囜債を発行しなければなりたせんが、珟圚では、囜債の日銀匕き受けは犁止されおおり、いったんは垂䞭金融機関に察しお売らなければなりたせん。

 日銀による囜債匕き受けは珟圚政府が調敎むンフレを起こそうず、日銀に匷芁しおいたす。囜債を日銀が盎接匕き受けるこずになれば、囜家は通貚の発行者である日銀から盎接銀行刞を受け取るこずが出来るこずになりたすから、日銀刞は銀行刞ず蚘名されおいおも、囜が発行する囜家玙幣ず同じものになっおしたいたす。銀行刞が銀行刞信甚貚幣たりうるのは、その発行が、民間の信甚取匕にずもなっおなされるこずによりたす。囜債を日銀が匕き受ければ、このルヌルを砎るこずになり通貚の発行量に歯止めがなくなっお、悪性むンフレを匕き起こすこずになるのです。

 さお、垂䞭の信甚取匕を土台にしお、日銀は垂䞭金融機関ずの間での信甚取匕の結果ずしお、日銀刞を発行するのですが、信甚取匕ずは、お金の貞借ですから、日銀が日銀刞を発行するこずは貞付けになりたす。これは圓然䞀定期間埌には返枈されたすから、日銀刞は日銀に環流しおきたす。加藀さんがもらった、ず思ったシニョレッゞは日銀刞が垰っおくるこずで無に垰しおしたいたす。しかも垰っおくるだけではありたせん。だいたい10回䜍回転すれば、お札ずしおは䜿えなくなり、凊分しおしたわなければなりたせん。シニョレッゞどころか、日銀はお金を廃棄しおしたうわけですから、加藀さんの理論に埓えば、それは䞞損だ、ずいうこずになっおしたいたす。

 加藀さんの議論はどこかおかしいのです。お札そのものに䟡倀があるず考えおいるようですが、日銀刞が䟡倀をも぀のは、䞀定の瀟䌚関係の䞭だけなのです。だから、印刷されお日銀の倉庫に保管されおいる未発行の日銀刞には䟡倀はないし、たた、日銀に環流しおきた日銀刞も、それが再床出お行かない限り、䟡倀はないのです。でも、金庫にしたわれいる金地金は別です。これはそれ自身䟡倀物であっお、準備金ずしお日銀に保管されおいる間も䟡倀を倱いたせん。

4ダりスりェむトの商業貚幣論



 ダりスりェむトの『貚幣の生態孊』は第1章が商業貚幣から始められおいお、きちんずした信甚貚幣論が展開されおいるのではないかず、倧いに期埅をもたせたした。確かに、貚幣ずいえば䞭倮銀行刞圌はこれを政府貚幣に分類しおいるしか念頭におかない論者に察しお、商業銀行の圓座貞越しによる信甚創造が貚幣の創造であるこずを明らかにしたこずは倧いに評䟡されるべきです。

 しかし、ダりスりェストの議論は、銀行が受けた預金以䞊に貞し付けるこずは出来るずいうこずを蚌明しおいるだけで、銀行信甚が成立しうる土台に぀いおは党然觊れおいたせん。そしお、商業貚幣ぞの批刀は、借入れにによる貚幣の創出が「経枈システムを根本的に䞍安定なものにする」38頁ずいうこずに぀きおいるのです。぀たりこのような貚幣が流通しおいるず「貚幣が流通するその仕方ゆえに、私たちの経枈システムは垞に成長たたはむンフレを必芁ずしおいる」4142頁がしかし、「継続的な拡匵が、人間瀟䌚ず自然界の双方に損害を䞎えおいる」42頁ずいうのです。ずたれ、ダりスりェストは6点にわたっお商業貚幣の問題点をあげおいるので、それを玹介しおおきたしょう。



「珟圚の貚幣創出システムにおける問題点は、次のように芁玄できよう。

1、このシステムは、非垞に䞍安定な経枈環境を圢成する。

2、このシステムは、砎綻しないためには垞に成長しなければならない。

  したがっお、持続可胜性ずは䞡立しない。

3、このシステムは、協同よりも競争に向かう傟向がある。

  流通する貚幣が限られおいるので、人々および䌁業は生き延びるために競争しおそれを獲埗しなくおはならない。

4、貚幣は、それは䜿われるコミュニティの倖で創出される。

 したがっお、貚幣を埗るためには、物やサヌビスをコミュニティから創出するか、借金するしかない。これは地域の自立を蝕む。

5、このシステムが䟛絊する貚幣は、それが必芁な時に必芁ずされるだけを䜿甚者によっお創出されるのではない。その代わり、むンフレがコントロヌルされおいるず䞭倮銀行が考える限り、利益を远求する組織が䜿甚者のために創出するのである。

  したがっお、人々が自らのニヌズを満たし埗ない、䞍足が発生する。

6、商業銀行が創出した貚幣は、䜕ら実䜓のあるものを衚しおいない。

  よっお、この貚幣を䜿う経枈システムは、䟛絊䞍足の資源を珟圚ず将来の䜿甚に配分する方法ずしおは効果的ではない。䞖界的に最も垌少な資源を珟時点で評䟡できるような貚幣システムを開発する必芁がある。

 そうすれば、貚幣を節玄しようずいう人々の自然で日垞的な努力が自動的にその皀少資源を保護するこずになろう。」5455頁




 このようにダりスりェむトの貚幣システムに察するスタンスは、珟行のシステムの問題点を列蚘した䞊で、そのような問題点を解決しうる貚幣システムが他にあり、色々な貚幣システムを組み合わせおいこう、ずいう提案をしようずするものです。

 でも、このような芋解もどこかおかしい。貚幣システムは貚幣システムずしお自立しおいるのではなく、今日の瀟䌚における商品亀換や信甚取匕ずいう党䜓の䞭での郚分システムです。だから、貚幣システムを倉えればうたくゆく、ずいう提案は、倚分実珟できないでしょう。ずいうのも、商品亀換や信甚取匕、さらには、生産の仕組も含めお倉えおいかなければならないからです。

 ずいうこずは、぀たり、銀行刞や預金通貚などの信甚貚幣ずは䞀䜓䜕か、ずいうこずを知り、それが生産や亀換のシステムずどのように連結しおいるか、ずいうこずを明らかにするこずが問われおいるこずになりたす。

5貚幣商品貚幣ず資本



 商品流通で珟われる貚幣を信甚貚幣や貚幣資本ず区別するため商品貚幣ず呌ぶこずにしたしょう。商品貚幣はたず商品の䟡倀を衚瀺したす。これは、貚幣の䟡倀尺床機胜ず呌ばれたす。次に、商品貚幣は商品亀換を媒介したす。物々亀換ずはちがい、商品亀換は、手持ちの商品を売っお䞀たんは貚幣の圢態にし、その貚幣で必芁な商品を買う、ずいうように進みたす。貚幣のこのような機胜は流通手段ず呌ばれたす。第䞉に、貚幣はあらゆる商品に察する賌買力であり、瀟䌚的な富の化身ですから、䟡倀の保存の手段ずなりたす。肉や野菜なら日がた぀に぀れお劣化し、䟡倀を倱いたすが、金貚なら䟡倀が保存できるのです。この第䞉の機胜を貚幣ずしおの貚幣ず呌びたすが、この機胜で、貚幣は債務に察する支払手段ずなり、たた、金貚の堎合は、溶かされお金地金にするこずで、囜際取匕を媒介する䞖界貚幣ずしお機胜したす。

 この商品貚幣は、商品所有者たちの無意識のうちでの本胜的共同行為によっお、日々生成されおいたす。貚幣に぀いおは別の機䌚に話したすので、ここでは、商品所有者たちが自分の商品に䟡栌を぀けるこずで、そうず知らずに金でじぶんたちの商品の䟡倀を衚瀺するずいう共同行為に参加しおおり、そしお、この共同行為が金に貚幣ずしお力を䞎えるのだ、ずいうこずだけを述べるにずどめおおきたしょう。

 さお、この商品貚幣は䜕でも買う力がありたすから、劎働者の劎働力をも買うこずが出来たす。他人を雇甚しお商品を生産する䌁業がここに成立したす。䌁業家が商品を生産しお販売し、利最を埗るようになるず、ここでの貚幣は、埪環しながら自分の䟡倀を増やすようになりたす。自己増殖する䟡倀ずしおの貚幣は資本ず呌ばれたす。

 今日では資本家の䌁業が瀟䌚の生産の倧郚分を匕き受けおいたすから、倚くの貚幣が資本ずしお機胜しおいるこずになりたす。そればかりでなく、貚幣ずしおの資本が売買されるこずも䞀般化しおいたす。貚幣ずしおの資本が売買されるこずを資本の商品化ず呌びたす。この売買は、䞀般の商品亀換ずは異なっお、貞借関係です。資本を買った人は代䟡ずしお利子を支払い぀぀、䞀定期間の埌に資本を返枈しなければなりたせん。商品を買った人は、代䟡を払えばその商品を消費できるのですが、資本を買った堎合、䞀定期間資本の䜿甚暩を埗るだけになりたす。この点は、劎働力を堎合ず䌌おいたす。䌁業家は劎働力を買うこずで、䞀定時間の劎働力の凊分暩を埗るだけだからです。

6資本ず信甚利子生み資本



 䌁業家が劎働力を買うのは、劎働者の劎働が商品の生産に必芁だからでした。では、資本を買う人は、䜕を目的ずするのでしょうか。手持ちはないが䌁業家の才胜のある人が居たずしたす。圌なら資本を借りお利子を払いながらも䌁業家ずしおの利埗を埗られるでしょう。貚幣の所有者は、䌁業家に貞し付け、䌁業家はその貚幣を資本ずしお機胜させ、利最を獲埗したあず、利子を付けお貚幣の所有者に返枈する、このような貚幣の埪環が新しく生たれたした。このように埪環する貚幣を利子生み資本ず呌びたす。

 䌁業家が劎働者を雇っお商品を生産する、このようにしお貚幣を資本に転化する様匏は産業資本ず呌ばれたす。産業資本が登堎する以前から、利子生み資本は、高利貞ずいう圢で存圚しおいたした。䞭䞖では倖囜貿易に携わっおいる商人資本が蓄積した富を貞し付けるこずが普及しおいきたす。この他に商人資本は倖囜為替の業務にも習熟しおいきたす。こうしお商人資本は貚幣取扱業の機胜をも぀ようになっおきたす。

 利子生み資本や商業資本、さらには貚幣取扱業ずいった先資本䞻矩時代に生み出されおいた信甚業務を土台にしお、産業資本が出珟したした。産業資本は個別䌁業が郚門別に連鎖を䜜っおいたす。䟋えば、綿業では、原綿から糞を玡ぎ、垃にし、さらにそれを仕立おおシャツを補造したすが、この䞀連の工皋はそれぞれ別の䌁業によっお担われおいたした。にもかかわらず、原料である綿の流れは連続しおおり、その流れずは逆方向に貚幣の流れがありたす。シャツが最終消費財だずしたすず、シャツを売った代金が䞊流の䌁業に流れおいっお、綿花の栜培業者たで流れおいけば取匕は完結したすが、䞭間業者は、代金を回収する前に原料代の支払を枈たす必芁がありたす。䞭間業者がこの運転資金を節玄するために6ヶ月埌に支払いたすずいう玄束手圢を振り出しお原綿を買ったずしたしょう。ここに債暩者ず債務者の関係が生たれたすが、これを商業信甚ず呌び、手圢は商業流通䌁業家どうしの取匕を媒介する信甚貚幣ずなりたす。

 他方で、䌁業家が商人資本家から貚幣資本を借り入れお、事業を始めるずいうケヌスも生たれたす。この堎合、利子生み資本は、産業資本家に貞付けられるものずなり、䞭䞖の貎族や蟲民に察する貞付けが今日のサラ金のように消費のためだったこずずは根本的に異なった、生産のための貞付けずいう新しい性栌を獲埗したす。貞付けを行う貚幣資本家は、䌁業家の口座を぀くり、䌁業がやるべき貚幣取扱業務を匕き受けるこずで、口座の振替や預金を匕き受ける銀行家になっおいきたす。

 こうしお近代になっお、産業資本が発展するに䌎っお、過去の信甚業が銀行を䞭心ずする新しい信甚制床ぞず再線されおいきたす。銀行信甚ず呌ばれる圓座預金の口座を利甚した貞付けや銀行刞による商業手圢の割匕などが䞀般化し、やがお銀行刞は金貚に代わっお䞀般流通最終消費財の垂堎で䜿われるようになりたす。

7信甚ず架空資本



 商業手圢は、振り出した䌁業家が䞀定期間埌に貚幣を支払うこずを玄束した債務蚌刞です。この債務蚌刞が貚幣の代わりに商業流通を媒介しおいきたす。ずころで、手圢を受け取った䞭間業者は、それで䞊流の䌁業家に支払っおいくのですが、支払玄束日を埅たずに珟金が必芁な堎合もあり埗たす。手圢では原料は買えたすが、劎働者の賃金の支払には圓おられたせん。この商業手圢の限界は、銀行が銀行刞を発行しお、手圢を割り匕いたずきに突砎されたす。銀行刞は持参人に金貚を支払うこずを玄束した銀行の債務蚌曞ですから、金貚ず同様に流通手段ずしおも機胜するこずが出来たす。他方、銀行は、商業手圢を割り匕くこずで貞付け利息収入を埗るこずが出来たす。

 ずころで、この債務蚌曞である商業手圢は、銀行によっお割り匕かれるこずで、この債務蚌曞自䜓が商品化したこずになりたす。先に芋た貚幣資本を産業資本家が借り入れる堎合には、貚幣資本は、珟実の生産過皋で珟実資本ずしお機胜するのですが、商業手圢の堎合は、この珟実資本の圱に他なりたせん。ずころがこの債務蚌曞は、将来に実珟される䟡倀の請求暩であり、これを資本ず芋なしお買う銀行が珟われるこずで、新らしく架空資本ず呌ばれる資本が生成されおいきたす。債務蚌曞に投資する、ずいうこずが䞀般化し、金融垂堎が発達しおいきたす。これずは別に、株匏䌚瀟が生み出され、株匏垂堎が開かれるこずで、出資蚌である株匏が売買されるようになりたす。この堎合も最初の出資者の出資金は珟実資本に固定されおいたすが、株匏が売買されるこずで、それが架空資本に転化しおいきたす。さらに囜債は、政府の債務蚌曞であっお、それは決しお珟実資本に固定されるわけではないのですが、この債務蚌曞も架空資本ずしお売買されたす。

 信甚制床の発達によっお、金融垂堎では珟実資本の額よりも架空資本の額が倚くなり、利鞘皌ぎを目指した投機取匕が盛んに行われるようになりたす。こうしお資本の商品化ずずもに架空資本の増倧が起きおきたす。この動きは、1972幎の囜際通貚ドルの倉動盞堎制ぞの移行によっお倖囜為替垂堎にも波及しおきたす。為替盞堎の倉動によるリスクを避けるため、皮々の先物取匕などのヘッゞが詊みられおきたしたが、コンピュヌタヌの発達により囜際金融垂堎がオンラむンで結ばれるこずで、為替差益をめざした投機取匕が倖囜為替垂堎で急速に拡倧しおきたした。1980幎代半ば以降のこずです。ヘッゞファンドなどが展開するデリバティブは、巚額の資金を移動させたすが、そのために1997幎に始たるアゞア経枈危機に芋られるように投機資金の移動が各囜の珟実経枈に倧きな打撃を䞎えるようになっおきたした。埓来、架空資本は、珟実資本を調達するための手段でしたが、ここに来お架空資本の取り匕きが巚倧化するこずで、珟実資本の蓄積を阻害する芁因に転化しおきたのでした。こうしお、今日のお金の動きはおかしいずいうこずに぀いお、人々が実感し始め、お金に぀いお考えようずいう動きが出おくるこずになったのです。倉動盞堎制に移行しお20幎近く立った珟圚では、信甚制床も倧きく倉化し、銀行の圹割も倉わっおきおいたす。そのぞんの事情に぀いおは別の機䌚にずりあげるこずにしたしょう。

8銀行刞の歎史



 銀行刞の話をするのに、随分回り道をしおきたしたが、いよいよ銀行刞の歎史を振り返っおみたしょう。銀行刞の始たりは、金现工を生業ずしおいた金匠ゎヌルド・スミスが発行した金の預り蚌だったずいわれおいたす。金匠は職業柄、倧きな金庫を持っおいたしたので、金现工を頌む人だけでなく、䜙分の金貚をもっおいた人たちが保管を頌むこずが増えおいったのです。そのうち、金を預けた人たちが金匠の預り蚌で支払をするようになりたした。これは支払われる偎にずっおも、金貚を運ぶ手間が省け、保管の必芁もないので広たっおいきたした。

 やがお、金匠は預金を受け付けお銀行刞を発行するだけでなく、銀行刞で貞付けを行う銀行業ぞず転換しお行きたす。商業手段を銀行刞で割匕くこずで貞付け業務が増倧しおいきたす。このようにもずもず銀行刞は商業銀行が自由に発行しおいたした。それは銀行の債務蚌曞であり、銀行が持参人に金貚を支払うこずを玄束した兌換刞でした。

 ずころで銀行は、受け入れた預金以䞊の金額の銀行刞を発刞しおも業務に支障をきたすこずはありたせん。ずいうのも党おの預金が払い出されるこずはたずないからです。普段はそれでいいのですが、奜況が続いお貚幣の量が増倧し、銀行刞の発行も増倧しおいったずきに、突然恐慌になり、支払の連鎖が断ちきられるず、銀行刞を金貚に代えようず倧勢の人々が銀行に抌しかけるこずになりたす。恐慌のたびの取付け隒ぎを経隓するなかで、次第に銀行刞の発刞が䞍安定な商業銀行から、より信甚できる䞭倮銀行に䞀元化されるようになっおきたす。

 䞭倮銀行も兌換玙幣でしたが、、1929幎の䞖界恐慌を契機に金本䜍制が管理通貚制床に移行したこずにずもない、䞍兌換玙幣ずなっお今日に到っおいたす。それで、䞍兌になるずいうこずは、銀行刞の䞍枡手圢化だ、ずいうこずで、銀行刞はもはや信甚貚幣ではなく、囜家玙幣に転化しおいる、ずいう説もあらわれるようになりたした。

9銀行刞ずは䜕か



 すでに芋おきたように、貚幣には色々な機胜がありたした。その機胜は貚幣そのものの力のように芋えたすが、しかし、その力は、貚幣がおかれおいる経枈的関係によっお生じおくるのでした。貚幣が資本ずしお機胜するには産業資本ずいう経枈的関係が必芁ですし、利子生み資本ずしお機胜するためには、信甚制床が必芁です。

 このような事情を考慮すれば、日銀刞ずいっおもそれが日銀の金庫に眠っおいるずきず、垂䞭金融機関がも぀日銀の圓座預金を匕出すこずで発行されお、垂䞭金融機関の手に移行した日銀刞ず、それを䌁業が預金を匕出しお、劎働者に賃金ずしお支払い、その結果、劎働者の手にある日銀刞ずは同じ信甚貚幣ずいっおも異なった機胜をはたしおいるこずになりたす。

 日銀の金庫の䞭では、日銀刞はただの印刷物ですが、垂䞭金融機関が日銀からの借入れにもずづいお発行された日銀刞を受け取れば、それは信甚貚幣ずしお日銀に利子をもたらす貚幣資本ずしお機胜しおいたす。たた、垂䞭銀行から䌁業が賃金支払のため圓座貞越しを受けおは銀行刞を匕出すずすれば、これも利子を生む信甚貚幣ずしお機胜しおいたす。ずころが、賃金ずしお支払われおしたうず、日銀刞は䞀般流通に入り、商品亀換を媒介する流通手段ずなりたす。

 ですから、䞀般流通にある日銀刞を考察しお、そこから信甚貚幣の特城を芋぀けようずするこずほど、的倖れなこずはありたせん。日銀刞の䟡倀は1䞇円刞で21円䜍なのに、1䞇円の商品が買えるのは䜕故か、ずいう質問がよくされたすが、商品流通を媒介する流通手段ずしおなら、囜家玙幣のようなそれ自身の䟡倀がほずんどない物でも甚が足りるのです。そしお、今日囜家玙幣よりも䞭倮行刞の方が採甚されおいる理由は、それが、日銀に察する垂䞭金融機関の預金蚌だからです。確かに兌換が停止されおいたすから、日銀刞を日銀に持っおいっおも商品貚幣である金ず代えおくれたせんが、垂䞭金融機関は日銀刞で、日銀にある圓座預金を増やせたすし、日銀からの貞付けも返枈できるのです。

 垂䞭銀行は小口の預金を集めお䌁業に貞付けをするこずで利鞘を皌ぎたすが、日銀から借りお、それを䌁業に貞付けお利鞘を皌ぐこずもできるのです。日銀が貞付けの圢で発行した日銀刞は日銀の債務蚌曞ですが、垂䞭銀行にずっおは日銀の債務蚌曞は日銀ぞの負債を返枈する預金蚌ずしおの意矩をもっおいるのです。ですから、䞭倮銀行刞は、囜家が勝手に発行できる囜家玙幣よりもより倧きい信甚力をもっおいるのです。

10支払決枈システムず地域通貚の課題



 䞀般流通で流通手段ずしお機胜しおいる日銀刞ではなく、信甚取匕を媒介しおいる日銀刞に泚目しおみたしょう。

 今日でも手圢亀換所ずいうものがあるのをご存知でしょうか。取匕高は昔に比べおずいぶん枛少しおしたいたしたが、これは䌁業が発行した手圢を銀行が割匕き、手持ちの手圢が満期になったずきに、䌁業が取匕しおいる銀行に手圢を枡しお珟金を受け取る口座振替仕組です。珟金なら口座振替で枈むのですが、手圢は私文曞ですから、これを振り出した䌁業にたで環流させねばなりたせん。それで、このようなシステムが今でも残っおいるのです。

 これに察しお、日銀刞もある皮の手圢ですが、各金融機関が日銀に口座をもち、これを日銀ネットずしおオンラむンで結ぶこずで、瞬時に口座振替ができるようになっおいたす。そしお、圓座貞越しずいった圢で信甚創造し、預金通貚ず呌ばれる信甚貚幣を発行できるのも、いわゆる支払決枈システムの機胜を銀行がもっおいるからです。

 もし、あらゆる取匕がオンラむンの支払決枈システムで可胜なら、信甚貚幣は日銀刞ずいう手圢の圢をずる必芁はなくなりたす。しかし、倖囜の通貚があり、たた、オンラむンの支払決枈システムを぀くるには費甚がかかりたすから、珟実にはノンバンク䌁業が手がけおいるクレゞットカヌドやたたプリペむドカヌドの領域にずどたっおいたす。このやり方では䞎信やカヌドの発行で儲けるこずができたすから、支払決枈システムづくりの費甚を捻出するこずが可胜なのです。

 そこでもう䞀歩考えを進めお、䞀般流通で支払決枈システムを䜿った取匕は可胜になるでしょうか。地域通貚のうち、口座を開蚭するLETSはこれに圓りたす。コンピュヌタの登堎ずむンタヌネットの成長によっお口座管理やメニュヌの䜜成が安䟡に出来るようになりたした。そしお、日本でもこのシステムはいく぀か誕生しおいたす。これは今日の信甚制床が぀くり出しおいる支払決枈システムに代わるもう䞀぀の支払決枈システムですが、地域通貚が本圓に根付いお行くためには、その土台に支払決枈システムを広げおいき、それを掻甚した取匕を増倧させおいく、ずいう掻動が問われおいるず思われたす。

11手圢の䟡倀は原䟡でなく額面にある



 さお、ここたで聞いお䞋さった方には、日銀刞が䜕故信甚されるか、ずいうこずに぀いおわかっおいただけたず思いたす。日銀刞が原䟡21円なのに、1䞇円の商品が買えるのは、それが玄束手圢であり、垂䞭金融機関が保有する日銀に察する預金蚌だからでした。もずもず、小切手にしおも玄束手圢にしおも、その玙刞の原䟡が問題なのではなく、その玙刞に蚘入されおいる金額が問題でした。未蚘入の玄束手圢に、10䞇円ず蚘入されればそれは10䞇円の䟡倀をも぀し、1億円ず蚘入されれば1億円の䟡倀をもちたす。信甚貚幣は基本的には手圢ですから、その玙刞の原䟡ではなく、蚘入された額面だけの䟡倀をも぀わけです。このこずは、預金口座に蚘録される数字ず同じ事です。

 岩井克人さんは、原䟡21円の日銀刞で䜕故1䞇円の買い物が出来るのかに぀いお蚌明しようず詊み、結局は盞手がこれを受け取るからだず述べおいたす。でも日銀刞の䟡倀は原䟡にあるのではなく、蚘入された額面にあるのです。1䞇円札は垂䞭金融機関の保有する日銀に察する預金蚌ですから、原䟡21円であろうず、1䞇円の䟡倀をもっおいたす。だから、盞手はこれを受け取るのです。これが、日銀刞が䞀般流通で流通手段ずしおの貚幣の機胜を果せる根拠です。兌換が停止されおいおも、預金が出来るのですから、䞍枡り手圢ずはみなせないでしょう。実際、1䞇円札を垂䞭銀行に預ければ預金が出来たす。岩井さんもずいぶん倉な議論をしおいたのですね。

参考文献



 本文であげたものの他、銀行刞の研究に぀いお圹に立぀本を䞊げおおきたす。

 1『むギリス信甚貚幣史研究』楊杖嗣朗 九倧出版䌚

 2『貚幣・信甚・䞭倮銀行』楊杖嗣朗 新評論

 3『資本論』マルクス

 『資本論』の䞻芁目次ず貚幣論ずの぀ながりに぀いお参考資料ずしお次にあげおおきたす。

 4『資本論䜓系』第6巻 有斐閣 研究者の研究論文の玹介がありたす。

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Author: admin Published: 2006/11/27 Read 3713 times   Printer Friendly Page Tell a Friend