1）シャンタル・ムフのラディカルデモクラシー
　ASSB誌8巻1号「アソシエーションの政治（1）」参照。

2）民主主義は日々生み出されている
　アソシエ21年次大会　第5分科会レジュメ参照。

3）「民主主義は日々生み出されている」（続）
　4月22日に時間がなくて述べられなかったことを、忘れない内にメモしておきます。

(1)商品の自己意識

　『資本論』初版本文　価値形態論の第4形態で関係しあっている人格は商品所有者であるが、これを消費者と捉えると、今日の社会で諸個人の頭を占領している商品の自己意識の構造がわかる。これが物象的依存関係にもとづく人格の独立ということ。
　他人との関係が取れない。何かしたいが何をしていいかわからない、という存在。

(2)民主主義とは何か

　市民の二重性が日々生み出しており、物象的依存関係や経済的隷属が自由と観念されるフェティシズムを生み出す。政治的無意識とは、無意識のうちに民主主義を生み出している、ということ。

(3)民主主義における回り道

　自然発生的な社会関係においては、同一性は回り道をして示される。個人の自己関係において成立している政治的関係における同一性は、自由という一般的なものであるが、この個人の物象的依存関係が形態規定され、自由の化身とされることが、民主主義的国家の成立の秘密である。これが国家という個物の属性となり、個人は国家との関係で自己の人格を承認することで、他者との国民としての同一性の形態を獲得している。

(4)民主主義における類と個の転倒

　一般的なものである政治的自由を国家という個物として出現させることで、類による個の支配が生じる。この類による個の支配は民主主義の属性である。というのも、この支配は、経済的隷属や物象的依存関係とセットになっているから。

(5)脱出の方法の多様性

(1)の商品の自己意識の図をどうするかが問題。まず共通の理解をつくり出すこと。その上でどうするかは多様にしかならない。

(6)今後の課題

　市民の自己自身の関係において現象している民主主義から、民主主義国家をどう導き出すか。

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 2773 times