　1997年から開始されたPC講座は、都度独自のテーマを決めて実施してきました。今回はテーマを「時代の変化を知る」とし、いわゆる現状分析に取り組みます。
　現代は、経済学の常識が通用しなくなっています。政府の官僚機関もどうしていいかわからず、不況からの脱出はなかなか実現しません。これは、現代が時代の変わり目であることとかかわっています。
　旧い動きと新しい動きのせめぎ合いがなされていることで、社会や経済がどのように動いているかが見えなくなっているのです。どのようなせめぎ合いがあるのか、このことを知ることが現状分析の課題です。
　この課題に対して、金融システムの分析から始め、多国籍企業の現状を明らかにして、産業構造と労働力構成の変化について解明します。
　その上で、今日一般化している近代的社会意識諸形態としての価値観がどのように成立しているかを明らかにし、運動のせめぎ合いについて分析します。そして、最後に混迷する現代に切り込める視点を「新しい思考」というレベルで提示します。

第4次PC講座実施要項

1）期間は、1年間とし、6回の講座をもちます。

2）期日は、2003年3月より奇数月の第2土曜日、午後2時～6時

3）会場は、お問い合わせ下さい。

4）参加費　稼ぎのあるメンバー　　　　　　　　　　年間50,000円
　　　　　　学生、フリーター　　　　　　　　　　　1回5,000円（LETSでの支払も可）
　　　　　　サポートセンター、ニュースタート関係者1回1,000円（LETSでの支払も可）

5）カリキュラム
　基本テーマ：時代の変化を知る6講

(1)金融システム（2003/3/8）

　現状分析を何から始めるか、と考えたとき、今日では金融システムの変化から論じることが適切である。というのも、金融システムはもともと架空資本の運動する場であるが、今日では、架空資本の運動が現実資本の運動を規制する、という逆転現象が起きているからだ。まず金融システムの変化とその現状を知ることからしか、現状分析は始まらない。

(2)多国籍企業（2003/5/10）

　架空資本の運動の次のポイントは多国籍企業である。中位の国家の国民総生産と肩を並べるまで巨大化した多国籍企業とは一体何なのか。そして多国籍企業の利害にもとづいてなされているグローバリゼーション、この事態を知ることなしに、世界の理解は進まない。

(3)産業構造と労働力構成（2003/7/12）

　ここでやっと伝統的な分析が登場する。日本に限らず、世界という規模での分析を試みたいが、とりえずは日本のケースについて明らかにしたい。

(4)価値観（2003/9/13）

　価値観の変化も著しい。科学的世界観で一元化されていた時代はつとに終わり、一人一価値観の世界に入っている。この変化を個人の自己神格化の過程として捉えかえしてみたい。

(5)階級闘争と社会運動（2003/11/8）

　価値観の変化と対応しているが、階級闘争も含めた社会運動の変化も著しい。運動の目標が普遍的なものから個別的なものに転化し、かつ、具体的な課題の実現に関しては、国や自治体の関与が見られるようになっている。

(6)「新しい思考」の提案（2004/1/10）

　時代の変化をふまえて、具体的な提言を行う際に、まず、思考方法の刷新について考えたい。その問題意識は、いったん中世の魔法がかかった世界から人間的に解放された近代的個人が、その後の資本家的生産の発達の過程で自己神格化を余儀なくされている、という現実に切り込める視点の確立である。2003年2月
PC講座世話人会
　　　連絡先／大原正義
　　　　　　〒607-8192 京都市山科区大宅御供田町3
　　　　　　　　　　　　イーグルコート大宅202
　　　　　　　E-mail　　kyw04500@nifty.ne.jp

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 2131 times

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第4次PC講座開講にあたって

第4次PC講座 実施要項