2000.8.15　文責　榎原均

　Study Union有志の皆さんから、関西でLETSを立ち上げよう、という呼びかけがあり、アソシエ21関西運営委員会は、プロジェクトチームをつくり、立ち上げについて協働していくことにしました。2回の予備的打ち合わせのあと、8月6日に15名で準備会をもちました。

　理論的な報告を準備していたのですが、プロジェクトチームではビデオを見て、ゲームをした方がいい、ということになり、S.U.側の了解を得て、当日は「エンデの遺言」のビデオを見たあと、レインボウリングが作成した「LETS導入マニュアル」に従って、ゲームをしてみました。

　文献も色々出ており、理論的な煮詰めもすすみ、また、英国の LETSLINK UKから資料を送ってもらう、という事で、ノウハウも近々得られる見通しですが、ゲームをやってみて、各自が自分の口座を持ち寄って共同管理する、ということのもつ意義が明らかになったように思います。

　ビデオでは、エンデの話の他に、世界各国の地域通貨の紹介がありましたが、イサカアワーを始めお札を発行する場合と旧東ドイツの交換リングが中心で、私たちが実行しようとしているLETSは紹介されていませんでした。しかし、ゲームで体験することで、同じ地域通貨といっても、お札を発行する場合と口座の集中との違いについて実感できました。

　お札を発行する場合、地方自治体や、有力な民間の団体がバックになって、信用を保証することが必要で、いわばコミュニティが前提になっています。これに対して、LETSの場合、LETS自体がコミュニティであり、また、コミュニティとして運営されなければならない、ということでした。

　そうだとすれば、LETSは地域づくりの手段として有効ではないでしょうか。地域づくりという言葉は言い古されてきましたが、もう一つ具体的なイメージがつかめませんでした。旧い共同体が解体したあとの今日の都市の地域に、どのようにしてコミュニティを再建していくか、このテーマはワーカーズ・コレクティブの登場と福祉の分野での事業の進展しか手がかりがありませんでしたが、LETSは色々な人々が参加できる点に強みがあり、また、地域に仕事を起こしていく可能性も大きくなります。

　あともう一つ、最近とみに感じているのは、何らかの経済的なつながりのないところでの運動提起は、一過性なものに終わり、持続できていません。一見自分たちの目的とはかけ離れているように見えても、自分たちの口座を共同で管理する、という経済的つながりを土台にすると、新しい運動が構想できそうです。

　ということで、次回の準備会は8月27日（日）に行うことになりました。今度はワークショップということでゲームについてもきちんと準備の上取り組みます。興味のある方はメールでご連絡下さい。〈kyw04500@nifty.ne.jp〉

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Author: admin Published: 2006/11/27 Read 1920 times