　LETSの立ち上げを目指し、準備会をやり始めてからまだ2ヶ月が過ぎただけですが、この間、実行委員会にかかわっているメンバーの間では、濃密な議論がなされています。その結果、会議に参加したメンバーと来れなかったメンバー、あるいはLETSにかかわっていないメンバーとの間に意識の断層が生じています。そこで、この間の活動について整理しておきます。

　まず、私たちの最初の出会いは、三つの集団の合流でした。〔アソシエ21関西運営委員会〕〔STUDY UNION〕〔NPO法人ニュースタート〕に属する人々の有志によって、LETSの立ち上げについての相談がもたれ、準備会が開始されたのでした。以降の経過は、次の通りです。

2）LETS準備会の経過

（1）8月6日第1回準備会、13名参加
（2）8月27日第2回準備会、16名参加
（3）9月10日第3回準備会、15名参加
（4）10月8日第4回準備会、22名参加
（5）予定第5回10月21日、第6回11月26日

　参加メンバーは37名に達しています。イギリスの場合、70名が平均的なLETSのメンバー数ということですから、このままいけば年内に準備会参加者だけで70名を超えることが予想されます。

3）重要な会議など

　8月27日に行われた第2回準備会で、LETS準備実行委員会を設置することになり、以降、次の会議が開かれています。

（6）9月17日　　協同組合運動研究会
（7）9月17日　　ニュースタート事務局、西嶋さんとの打ち合わせ
（8）10月1日　　第1回LETS実行委員会
（9）10月8日午前　第2回LETS実行委員会
（10）予定10月15日　第3回LETS実行委員会
（11）予定10月22日　竹村農場見学

　（6）の協同組合運動研究会では、たまたま実行委員会にかかわっている船場、上山、境が参加したこともあって非常に有意義な議論ができました。LETSを実行するにあたってのスタンスも3人での見解の一致が生まれました。LETSの交易自体が、メンバーにコミュニティの一員としての意識を生み出すという点については、『協同組合運動研究会報』77号を参照して下さい。それ以外にも、エル・コープの伊藤さんに対して、上山さんの方から、共同購入やワーカーズ・コレクティブについての質問が発せられ、協同組合運動についての知見を共有する作業が行われました。（この作業については、LETS発足後も、もっと大勢の人たちに共有してもらうべく場を設定することが必要でしょう。）

　次に、（7）のニュースタートの西嶋さんとの打ち合わせでは、LETS準備会、STUDY　UNIONのメンバーとリンクする形で、ニュースタートの事業計画をどうつくるかが議論になりました。この時点で、LETSを立ち上げながら社会的に必要な活動をどのようにして事業化していくかという「もう一つの働く場づくり」が課題となっていることを感じることができました。

　（8）の第1回実行委員会では、8日の準備会の打ち合わせ、京大11月祭の準備、LETS事務局設立の準備について話し合われました。この時の発見は、LETS事務局や運営委員の選出についてのものでした。通常運動団体は、メンバーが指導部を選ぶ権利をもっています。直接制にせよ、間接制にせよ、代表は選挙で選ばれることになっています。ところが、イギリスの場合、LETSの事務局と運営委員は、このような手続なしに決められています。LETSは、社会運動と言ってもメンバーの口座の共同管理であり、主体は事務局や運営委員会にあるのではなく参加者個人にあるわけですから、事務局や運営委員会は事務をきちんとこなすのが努めであり、それ以外の意志を代表したりすることはありません。従って、メンバーは、事務局を監査する役を設置しておくだけで、事務局や運営委員会は、有志がNPO的にかかわればよいということになります。これで、事務局と運営委員会設置の方法が、明確になってきました。
　11月祭については、100名の教室を確保できた、という報告があり、これをどのように使うかについて、10月8日午前に検討することになりました。

　（9）の10月8日の午前の会議では、11月祭について、次の企画が決定されました。（場所はA号館　218教室）

（12）11月23日シンポジウム　地域に働く場を求めて
　　　11月24日地域通貨実践家の交流集会
　　　11月25日2010年日本のエネルギー問題
　　　11月26日第6回LETS実行委員会、及び、シンポジウム　不登校の大学生の問題を考える

　プログラムの詳細は、別紙を見て下さい。もともとは、「11月祭でLETSのゲームが出来ればいいね」という話から始まった取組みでしたが、教室を借りることができたので、非常に意義のある企画になりました。
　11月祭を担当している橘さんの方から、「地域経済という見地からのまとまりのある企画にしたい」という提言があり、それぞれの企画を検討した結果、働く場づくりも、地域通貨も、エネルギー問題も、不登校の大学生や社会的引きこもりも、全て地域経済の再興という課題とかかわっているということで、了解されました。

4）文献

（13）LETSフォーラムの文献
（14）LETS準備会の報告書類
（15）協同組合運動研究会報77号
（16）11月祭企画
（17）『モモを読む』

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 2094 times