2001.2.22　榎原均

　流さんの論文「戦術論争発展のために」は、共産主義者同盟（RG）の資本主義批判や、1980年代後半以降の私の著作に付いての正確な要約のうえで、構造改革派や伊藤一さんとの見解の違いを整理してくれています。

　その方法上のポイントは、要するに、党派や個人の理論を批判するなら、その最も中心になっている部分を把握して、それに対して批判すべき、という思想にあり、この立場には賛成します。ただ一つ不満なのは、12.18ブントや後のRG派が資本主義批判や経済的隷属について解明していかざるを得なかった実践的背景について充分注意が払われていないと言う点です。私自身は合法組織から非合法組織への転換が迫られた時、従来のブントの戦術の中心であった最小限綱領の領域（内閣打倒や安保粉砕といった戦術）からそれまでは組織的に議論してこなかった最大限綱領の領域（いかにして階級を廃止するのかという戦術）の諸問題の解明を迫られた、ということがあったのです。

　次に文化の問題ですが、私の主張する文化は政治をも含んだものです。政治の基準を文化に置く、と言っています。この見地は、1970年以降のRG派の革命戦争の戦術の実践的総括のうえに提起されたものです。小なりと言えども革命戦争を実践したことで、私たちはプロレタリアート独裁の国家の質に到達していたのです。そして、以降の総括作業で、今日ではプロレタリアート独裁が樹立されていなくとも、プロレタリアート独裁の政治（つまり文化革命）は遂行し得るという判断に到達しています。とりあえず、以上2点について批判的コメントをしておきます。

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 2933 times