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大都会に村を作る


大都会に村を作る

2006年4月5日

 勝ち組み・負け組み、格差拡大、下流社会、結婚できない若者、世の中大騒ぎです。

 この間進められて来た市場原理主義に基づく新自由主義的政治の「成果」が出てきたのですね。「構造改革」という看板のもとでの規制緩和による官業の民営化、規制なしの株主至上主義による投機による金儲けの放任、大企業による正社員のリストラとパート・派遣社員の使い捨てによる利潤の確保、ゼロ金利による預金者である国民から銀行や企業への所得の移転、自己責任というキャッチコピーによる福祉の切り捨て、そして総まとめはいま準備されつつある消費税の値上げです。

 このような経過の中でより貧困になっている層が拡大していっていますが、国民は政府に文句の一つも言えず、世論調査では、いまも小泉内閣に高い支持を与えています。世界的に見て新自由主義とアメリカ単独主義に対する批判が巻き起こり、何十万というデモが繰り広げられている諸国とは別の世界であるかのようです。お上第一主義を保存したまま、ミイーイズムに取りこまれた団塊世代の日本人が作り出した現実がここにあります。

 このような現実の中から私達はどのようにして若者の未来を切り開いていけるのでしょうか。その答えが「大都会に村を作る」ということではないでしょうか。

 私達の活動は引きこもりの若者をサポートすることから始まりました。その際に活動のミッションを雇われて働くことに代わる「もう一つの働き方」を実現することに置き、働く場を協同組合的に運営すると共に新たに働く場を作り出すことを目指してきました。この活動はいまコミュニティビジネスというものとして、自治体が促進しようとしているものですが、私達はその経営を協同組合的にやろうという点で特色を持っています。

 コミュニティビジネスを構想するとき、地域に溜まり場が必要です。私達はいまカフェコモンズという場を創ることができました。そこから出発して地域でのいろいろな起業のプランが産み出されてきています。その際にネックになるのが都会の高い生活費です。安く暮らせる共同住宅があれば何もお金稼ぎに身を削ることはありません。

 より多くのお金を求める欲望に取りつかれ、競争で他者を蹴散らし、正社員となって忙しく働き身を削っているという生き方は果たして若者の未来に希望を与えられるでしょうか。人間にとっての最大の財産は時間であり、友達であるというイメージをスローワークという言葉に託した私達は、安く暮らせる生活システムを共同して作り出すことで大都会に村を作り、自分たちで事業を起こして自分たちで管理し、悠々と生活することで、お金の面での格差はあったとしても、それが生活の格差にはならないような文化を創り出していきます。

 とりあえず村はメンバー制となります。村民が地域に働きかけるという形でコミュニティビジネスを展開していきます。余力があれば農作業ができる土地を確保し名実共に村として食糧自給を試みます。最終的には地域のコミュニティに働きかけ、住民主体の地域自治を創り出す役割を担います。






Date:  2006/8/3
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