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資料2.働く場をワーカーズ・コレクティブで運営しよう


資料2.働く場をワーカーズ・コレクティブで運営しよう


1)ワーカーズコレクティブとは何か


 現在の働く場は、雇われて働くか、自営で働くかの何れかが一般的ですが、ワーカーズ・コレクティブとは、働く人たちが出資し、働き、経営管理する、新しい働き方(もう一つの働き方)です。
 例えば、配食サービスの事業を始めるとしましょう。調理場や配送の車などを確保するために、500万円の初期投資が必要だとします。普通は経営者が資本を調達し、数人の人を雇用して事業が始まります。しかし、老人世帯を対象にした配食サービスは、社会的には必要な事業ですが、普通に経営して利益が出るような事業にはなりにくいですから、経営者としても手を出しません。

 この事業をワーカーズ・コレクティブで企画してみましょう。
 25人で出資すれば、一人当たり20万円の出資で500万円の資金が集まります。そして、働き方も、25人でワークシェアリングをします。毎日働きたい人、週一回の人、どうしても人手が足りないときに応援に入れる人、など色んな人がいます。ワークシェアを上手くやれるようになるまでは若干の経験が必要ですが、そんなに心配する事はないでしょう。また、営業活動も、会社経営の場合とちがい、25人の出資者がそれぞれ出来ることを担えば、事業として成立するでしょう。もちろん、一つの職場だけでフルタイムで働いて生活費をかせぐ、といったライフスタイルを望む人には向いていませんが、複数の働く場を掛け持ちする事で生活費を得る事は可能でしょう。

 つまり、もうひとつの働き方は、一つの会社でフルタイムで働くという事は出来ないが、働く事で社会参加をしたい、と願っている人たちにとっては非常に適したシステムです。

2)もう一つの働き方が何故必要か


 今日の社会では、お金が動けば事業になります。社会的なニーズにこたえる事でお金が集まってくると、事業が立ち上がります。ある程度採算の見込みがつくとなると、資本を運用できる経営者が参入してきます。
 株式会社は営利企業ですから、利益が上がらないと、リストラをするか、撤退してしまいます。でも社会的にニーズがあり、営利事業としては成立し難くても、もう一つの働き方にもとづく事業としては成立するケースが沢山あります。
 今日の社会ではお金が万能ですから、働く場もお金で解決するという方法が一般的です。しかし、お金は自己増殖することをその本性としていますから、お金で解決していると結局は株式会社と同じように、働く場をつくった人たちがお金の奴隷になってしまいます。そうではなく、働く人たちがお金を管理しなければなりません。そのためには、働く人が、ワーカーズコレクティブという、もう一つの働き方を実現する事が必要なのです。

3)ワーカーズ・コレクティブの約束ごと


(1)自己決定・自主管理の組織です。組合員自身が方針を決め、合意と自己責任によって管理を行います。

(2)参加民主主義にもとづく組織運営を行います。組合員は日常の業務の執行を運営会議で行います。

(3)マネージメントが不可欠です。基本方針、事業計画、経費の確保、経理決算、設備投資、ワークシェアリング、労働評価と分配などがマネージメントの中味です。

(4)集団で事業を続けていくために組合員が共育の関係を持ち、リーダーやマネージャーを代わり合えるようにします。

4)さあ、ワーカーズ・コレクティブづくりを始めましょう


 発起人が集まって趣意書づくりから始めます。具体的手続きについてのサポートは生産者協同組合サポートセンターが行います。




Date:  2006/1/5
Section: 研修会こぼれ話
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