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17.こぼれ話(その9)新しい社会運動の日常化


17.こぼれ話(その9)新しい社会運動の日常化


 旧い社会運動では政治権力をとることが目的でしたから、絶えず人の「意識をかえよう」ということに力を入れてきました。でも新しい社会運動にとっては、人の意識を変えることは手段ではありません。とはいえ、最初の出発点では意識ある人たちの呼びかけと行動によって、新しい働き方、働く場が作られてきました。この頃、人の意識に働きかけることは大切な事でした。しかしそれから20年、社会の方がすっかり変わってしまい、いま大勢の人たちが、働き方を変えなければやっていけないようなところに追いこめられています。

 自営業者たちは、大規模小売店や、中国などに生産拠点と移した製造業によって収奪され、自営の道を断たれました。他方、会社勤めの人々も、リストラで路頭に放り出されています。そして、このような人たちを救うセーフティーネットはほとんどありません。

 でも、これらの人たちも、視点を変え、共同事業を目指せば生きる道は見つかります。例えば、一人で商店街の閉店した商店を再開しようとすれば、一千万円位の初期投資が必要でしょう。でも、40人のワーカーズコレクティブでとりかかれば、一人当たり25万円の出費ですみます。もし、ワーカーズコレクティブと地域通貨を組み合わせた町おこし、村おこしのモデル地域が出来れば、それは確実に、他の地域にも波及していくでしょう。こうなると、新しい働き方をしていくという日常生活そのものが、当事者には意識されないまま、社会をより良い方向へと変えていくことになります。

 こうしたことが可能になる時代がやっと訪れてきたのではないでしょうか?




Date:  2006/1/5
Section: ç ”äżŽäźšă“ăźă‚ŒčŠą
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